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内科・神経内科・消化器内科
循環器内科・呼吸器内科
中野内科クリニック
福島県いわき市平鍛冶町13
KOHDAビル3F

神経内科

片頭痛

片頭痛

 片頭痛発作は通常4~72時間続き、片側の拍動性頭痛が特徴です。頭痛の程度は中等度~高度で日常生活に支障をきたします。また、階段の昇降など日常的な運動により頭痛が増強することも特徴のひとつです。悪心(吐き気)、嘔吐を伴うことが多く頭痛発作中は感覚過敏となって普段は気にならないような光、音、においを不快に感じる方が多いです。
約4割の片頭痛患者さんに両側性の頭痛もあり片頭痛は女性に多いのも特徴です。
 前兆は、頭痛より前に起こる症状でキラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性前兆が最も多くみられます。通常は60分以内に前兆が終わり引き続いて頭痛が始まります。漠然とした頭痛の予感や眠気、気分の変調などは前兆と区別して予兆といいます。
 片頭痛の治療は大きくわけて2種類あります。頭痛発作が起こった時になるべく早く頭痛を鎮めるための治療法を急性期治療といいます。もうひとつは頭痛がない日もあらかじめ毎日お薬を飲んで、頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。急性期治療にはスマトリプタンを始めとするトリプタンが使用されています。比較的軽度の発作ではアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンが用いられます。片頭痛の患者さんではこのような急性期治療薬を使用しすぎると頭痛が悪化したり慢性化したりすることがあります。これを「薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)」と呼びます。また、片頭痛の予防薬としては塩酸ロメリジンやバルプロ酸などが用いられます。

緊張型頭痛

 緊張型頭痛は反復性(月に15日未満)と慢性(月に15日以上、3ヶ月を超える)に分類されています。各々、頭蓋周囲の圧痛を伴うものと伴わないものに細分類されています。頭痛は30分から7日間続き圧迫されるような、あるいは締めつけられるような非拍動性の頭痛で多くは両側性です。頭痛の程度は軽度~中等度で頭痛のために日常生活に支障が出ることはあっても通常は寝込んでしまうようなことはありません。
 緊張型頭痛の原因としては口・顎部の機能異常、心理社会的ストレス、不安、うつ、妄想や妄想概念としての頭痛、筋性ストレス、頭痛に対する薬剤乱用などがあげられます。
 発作性緊張型頭痛にはNSAIDsが用いられます。筋弛緩作用を合わせ持つ抗不安薬(エチゾラム、ジアゼパムなど)を鎮痛剤と併用するとよいこともあります。
 慢性緊張型頭痛では予防的に抗不安薬や抗うつ剤が用いられています。筋弛緩剤(チザニジンなど)の併用が有効な例もあります。

群発頭痛

 群発頭痛は片側の眼周囲~前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数ヶ月の期間群発することが特徴です。夜間、睡眠中に頭痛発作が起こりやすく頭痛発作時には頭痛と同じ側に眼の充血や流涙などの自律神経異常に起因する症状を伴うことが特徴です。1回の頭痛発作は15分~180分で片頭痛と比べると短いのですが、2日に1回~1日に8回(大部分は1日に1~3回)といったように何回も発作が起こるのが特徴です。
 群発頭痛は20~30才代に多く約85%は男性とされていたのですが、最近の欧米の調査では男女差が縮小してきて女性の群発頭痛も稀ではなくなっているとされています。
 頭痛発作時の治療としてはスマトリプタンの皮下注射が効果的です。群発頭痛の発作に通常の鎮痛剤は無効です。
 群発期初期の予防療法にはカルシウム拮抗薬であるベラパミルやステロイド(プレドニゾロンなど)が用いられています。

パーキンソン病の症状と診断

 パーキンソン病の4徴とは、静止時振戦、筋肉が固くなる筋固縮、動作が鈍くなる無動または寡動、転びやすくなる姿勢反射(保持)障害を言います。2015年に発表されたMovement Disorders Societyにより新しい診断基準が発表されました。それによれば無動または寡動が必須で静止時振戦か筋固縮のどちらか一方か、両方を伴う場合にパーキンソン病を疑います。支持基準には①ドパミン補充療法で有効、②レボドパ誘発性ジスキネジアがある、③静止時振戦、④嗅覚障害とMIBG心筋シンチの異常のうち、臨床的確定診断にはこのうち二つを満たす必要があります。
 また、該当するとパーキンソン病と診断できない絶対的除外基準には、主なものに①薬剤誘発性、②レボドパが効かない、③シナプス前神経の検査(ダットスキャン)が正常の場合があり、パーキンソン病とは診断することができません。相対的除外項目として重要なものに3年以内の反復する転倒があります。診断にはこれら症状にMIBG心筋シンチ、ドパミン神経の前シナプスの機能を観察するダットスキャンをあわせることで診断精度を高めることが出来ます。
 家族歴のあるケースは、積極的にカウンセリングと遺伝子診断を受けることをお勧めします。ダットスキャンで異常を示す進行性核上性麻痺、多系統萎縮症との鑑別が必要です。これら疾患を鑑別するためにMIBG心筋シンチを利用することが大事で、パーキンソン病のみが低下を示します。
 血管障害性パーキンソニズム、正常圧水頭症は基本的にはダットスキャンで正常を示すので、鑑別が可能です。

アルツハイマー病

 ドイツのアルツハイマー博士は50歳台の認知症の患者さんを詳しく診て、それを1906年に発表しました。その病気が後にアルツハイマー病とよばれるようになりました。
 脳の中の海馬とよばれる場所は記憶の中枢として知られています。アルツハイマー病では、脳の萎縮(小さくなること)がこの海馬のあたりから始まって拡がっていきます。そのため、症状は記憶の障害(もの忘れ)から始まり、徐々に認知機能全体が低下してきます。
 最初は、もの忘れ(「少し前のことが思い出せない」)が目立つものの日常生活にはほぼ支障がありません(アルツハイマー病による軽度認知障害)。次第に生活にも支障がでてきて認知症となり(アルツハイマー病による認知症あるいはアルツハイマー型認知症)、認知症は軽度、中等度、高度と徐々に進んでいきます。
 軽度の認知症ではもの忘れに加えて日付がわからなくなり、中等度になると自分のいる場所がわからなくなります。妄想や徘徊などの症状が問題になることもあります。さらに高度(重度)になると家族など親しい人の顔もわからなくなり、最終的には寝たきりになります。

 アルツハイマー病では、脳にアミロイドβ蛋白というタンパク質がたまり、さらにタウというタンパク質がたまって、神経細胞が減少し脳が萎縮していきます。アルツハイマー病の診断では、病気の経過や症状の特徴が重要です。補助検査として脳の画像 [MRI、CT、SPECT(スペクト)、 PET(ペット)] や脳脊髄液などの検査を行うことで、高い確実度でアルツハイマー病を診断することが可能です。
 アルツハイマー病の治療には①薬による治療と②ケアやリハビリなどの薬以外の治療があります。現在使用できる薬の効果は限定的なため、②の薬以外の治療が重要です。現在のアルツハイマー病の薬は脳の神経細胞の間の伝達をよくすることによって認知症の症状を改善し病気の進行を遅らせますが、病気そのものの進行を止めることはできません。そのため、根本的な治療効果が期待できる、脳にたまるアミロイドやタウに効く治療法の開発が活発に行われています。
 なるべく早い段階で神経内科を受診していただき、正確な診断を受け、適切な治療方針を立てることが大切です。

アルツハイマーの原因

 中脳にあるドパミン神経細胞の脱落ですが、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンと多岐に渡ることが分かっています。神経病理学的にレビー小体を認めるのを特徴としますが、若年性の場合は、レビー小体を認めないケースもあります。遺伝的素因と環境因子の関与が重要とされています。

アルツハイマーの治療

 治療ですが、若年発症のケースは、早期にジスキネジアが出現するので、レボドパ治療は可能な限り避けた方が望ましいとされています。年齢は決まっておりませんが、65歳以上で発症するケースは、最初からレボドパを処方しても比較的ジスキネジアの頻度は高くありません。他にもドパミン作動薬、MAO-B阻害剤、抗コリン剤、アデノシンA2a受容体拮抗剤、COMT阻害剤、ゾニサミドがあります。早期は比較的反応も良好で十分コントロール出来ますが、進行期になるとウェアリングオフ、ジスキネジアが問題となります。進行期の正確な定義はありませんが、レボドパの服用回数が5回以上、オフ時間が2時間以上、問題となるようなジスキネジアが1時間以上を一つの目安にすることを提唱しております。内服でコントロールが出来なくなりますと、デュオドーパ、脳深部刺激療法を推奨します。適応は専門家が診察を行ない、相談の上、決定することを推奨しております。また、進行期は認知症などの非運動症状のコントロールも重要になってきます。
 パーキンソン病を一般医より専門家がフォローする方が、生命予後が良いというデータもありますので、診断が疑われるときは早めに脳神経内科を受診することが大事と思います。

重症筋無力症

重症筋無力症

 ものが二重に見える、という症状を認めるときには重症筋無力症(myasthenia gravis、MG)という病気がかくれている場合があります。MGでは眼の症状が比較的高頻度にあらわれます。その主な症状は眼瞼下垂(まぶたがさがってくる、だるい)、複視(ものが二重にみえる)です。このように症状が眼症状に限定されているものを「眼筋型MG」と呼びます。
 それに対して眼症状以外の症状があるものを「全身型MG」と呼びます。全身型MGでは眼症状のほかに、顔面の力が弱い、うまく飲み込めない、呂律が回りにくい、頸や手足の力が弱い、呼吸が苦しい、などの症状が単独またはいろいろな組み合わせで起こります。呼吸が苦しくなって人工呼吸器の補助が必要になる状態をクリーゼといいます。

症状

 MGの症状の特徴は午前中の方が軽症で、午後になると悪くなる、ということです。これを日内変動と呼びます。もう一点は疲れやすく、疲れると症状が悪くなることです。これを易疲労性と呼びます。調子のいいときにはあまり症状がみられないことから、なまけ病や仮病などと誤解されることもあり、患者さんはしばしば理解してもらえないつらさを味わいます。眼科や耳鼻科で診断がつかないままになっていることもときどきあります。

重症筋無力症診断

この病気では採血をして、アセチルコリン受容体抗体やマスク抗体というような自己抗体があるかどうかを調べます。また、筋電図といって電気を用いた検査も行います。MGでは約20%に胸腺腫という腫瘍が合併しているので、胸部CTやMRIなどの画像検査もします。自己抗体が検出されれば診断は容易ですが、約15%の患者さんでは検出されません。検出されないと診断が難しくなります。

重症筋無力症治療

 MGは治療可能な病気です。まず、胸腺腫のある患者さんは手術で胸腺腫を摘除します。胸腺腫がない患者さんは、眼筋型か全身型かで治療方針が異なってきます。ここでは全身型について解説します。抗コリンエステラーゼ阻害薬とともにステロイドを少量から開始します。以前はここからかなり大用量まで増量していましたが、長期的な副作用を考慮して最近ではあまり増やさないのが主流です。同時に免疫抑制薬(タクロリムスやシクロスポリンなど)を開始します。これらを内服しても反応が悪い場合には、免疫グロブリンや血漿交換、ときにはステロイドパルス療法などを行います。
 これを読んでもしかしたら自分はMGかもしれないと思われた方は、脳神経内科を受診してみて下さい。

脳梗塞

 脳の血管が詰まると、具体的には急に手足が動かなくなってしまったり、感覚が麻痺したりします。また、言葉がうまく話せなくなったり、ひとの話が理解できないなどの症状もおこりえます。症状が進むと意識がなくなることもあります。脳梗塞は高齢の方に起こりやすく、その発症機序には2通りあります。一つはアテローム血栓性脳梗塞といいますが、高血圧や糖尿病、悪玉コレステロールや中性脂肪が高いなどといった脂質異常症がある方は、動脈硬化がすすみやすく、脳卒中を起こしやすいので注意が必要です。
 一方、心房細動といって心臓が規則正しく脈を打てなくなると心臓の中で血液の塊ができやすくなり、はがれて飛んだ凝血塊が血管を詰めることがあります(心原性脳塞栓症と呼びます)。症状が出てから早い時期に、TPAという血栓を溶かす薬を注射したり、カテーテルという細い管を詰まった血管のなかに通して再開通させるといった治療(血栓回収療法)をすると後遺症が少なくてすみます。このような状態になった場合、直後であれば救急車を呼ぶことをおすすめします。TPA療法発症から4.5時間まで、血栓回収療法は数時間までが対象になります。そうでない場合でも、まず脳神経内科の受診をお勧めします。

脳出血

 症状は脳梗塞に似ていますが、脳梗塞と違って脳出血では頭痛があることがほとんどです。手足のちからが入りにくくなったり、ろれつが回りにくい、顔がゆがむといった症状が急にでます。脳出血の原因は高血圧のことが多く、血圧の管理で発症を予防することができます。脳の比較的浅いところに出血した場合は、脳血管にアミロイドという異常なタンパク質が沈着している状態(脳アミロイド血管症)を疑います。不幸にして脳出血を発症してしまった場合は、救急車を呼んでください。

くも膜下出血

 急にハンマーで殴られたような、激しい頭痛がおきます。出血量が多い場合は意識がなくなったり、手足の脱力が生じたりします。くも膜下出血の8割は血管のこぶ(動脈瘤)が原因のため、動脈瘤の再破裂や血管の異常収縮をおこして急激に症状が悪くなることを防ぐため、発症直後に頭の手術が行われます。

しびれの原因となる主な病気

 しびれは、感覚の経路(感覚受容器から末梢神経、脊髄、大脳へ至る感覚の伝導路)のいずれかに障害がおきると出現します。表には、障害部位によって分類したしびれの原因となる主な病気の一部を示しております。しびれで病院を受診される患者さんの多くが心配している病気の一つとして、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害があります。通常、脳血管障害によるしびれは、急に出現した片側性の症状であることが多いです。感覚障害に筋力低下を伴うことが多いのですが、感覚障害が唯一の症状であることもあります。口の周りと片側の手がしびれる場合なども脳血管障害の可能性があるので注意しましょう。
 脊椎に異常があって、首(頚椎)や腰(腰椎)の神経を圧迫することによって生じるしびれは、慢性的なしびれで最も多い原因の一つです。この場合は、発症の日時が不明であったり、症状の変動があったり、ある一定の領域(脊髄神経根であれば皮膚分節)に限局してしびれを認めます。
 また、手足の末梢神経の障害によるしびれも日常でよく遭遇するしびれです。末梢神経障害は、一つの末梢神経にのみ障害がみられる場合を単神経障害、非対称性に複数の末梢神経に障害がみられる場合を多発単神経障害、左右対称性でいわゆる手袋靴下型に障害がみられる場合を多発神経障害といいます。手根管症候群や撓骨神経麻痺などの絞扼に伴うもの、血管炎や膠原病などの炎症が関連するもの、ギラン・バレー症候群などの免疫が関連するもの、糖尿病やビタミン欠乏などの代謝性疾患に伴うものなど、末梢神経の障害だけでもしびれの原因は実に様々です。急な症状の出現ではなくても、しびれの範囲が広がっていく、別の身体の部位にしびれが出現してくる、など慢性の経過でも末梢神経障害をはじめとして様々な病気が隠れている可能性があります。

しびれを引き起こす主な病気

障害部位疾患
大脳、脳幹、脳神経脳梗塞、脳出血、脳腫瘍
多発性硬化症、脳炎、三叉神経痛など
脊髄、脊髄神経根脊椎症、脊椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症
脊髄梗塞、脊髄動静脈奇形、脊髄動静脈瘻
多発性硬化症、脊髄炎
亜急性連合性脊髄変性症、HTLV-1関連脊髄症など
末梢神経
  • 単神経障害
    手根管症候群、肘部管症候群、撓骨神経麻痺
    腓骨神経麻痺、足根管症候群
    帯状疱疹など
  • 多発単神経障害
    血管炎、膠原病関連疾患
    サルコイドーシスなど
  • 多発神経障害
    糖尿病、尿毒症、ビタミン欠乏、アルコール多飲
    ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • Charcot-Marie-Tooth病
  • 家族性アミロイドポリニューロパチー、アミロイドーシス
  • 腫瘍、傍腫瘍性、感染症(AIDSなど)
  • 中毒性(重金属、農薬、有機溶剤など)
  • 薬剤性(抗腫瘍薬など)
その他電解質異常、過換気症候群、下肢静止座不能症候群など

しびれの診察と検査

しびれの診察と検査

 まず、①しびれがどの様におこっているか、②どこがしびれているか、③しびれ以外の症状があるか、などの問診があります。その後、神経の異常があるかどうかの診察(神経学的診察)が行われます。この診察にてしびれの性状や分布、随伴する症状などから、おおよそどこが障害されて、症状が出現しているのかを推定します。
 その後、脳の病気が疑われる場合には、脳のCT検査、MRI検査などの画像検査を行います。脊髄や脊椎の病気が疑われる場合には、脊椎・脊髄のレントゲン写真、CT検査、MRI検査など画像検査を行います。末梢神経の病気が疑われる場合は、神経伝導検査や筋電図検査などを行い、末梢神経の機能を調べます。また、血液検査や髄液検査なども必要に応じて行います。このような種々の検査で病気の原因がはっきりすることが大部分です。
 治療は、しびれを起こす原因に対する治療と症状(しびれ)に対する治療を行います。内科的な治療で済む場合もあれば、整形外科や脳神経外科などでの手術が必要になる場合もときにあります。

 しびれは、様々な原因で引き起こされます。適切な治療を行うためには、原因の特定が最も重要と考えられます。また、しびれには、重大な病気が隠れていることもありますので、安易に放置しないで、まずはお近くの脳神経内科を受診してみてください。

めまいとは

 一口に「めまい」といいますが、めまいには実際には次のように様々な症状が含まれます:自分やまわりがぐるぐる回る、ふわふわしている、気が遠くなりそうな感じ、眼前暗黒感、物が二重に見える、不安感、動悸、吐き気。

めまいの原因

 めまいの原因として、大変つらいめまいを生じるものの比較的良性の内耳性めまい(三半規管の障害によるめまい、正確には前庭機能障害)が最も多く見られますが、中には脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ほか)や心臓疾患などによる命にかかわる場合もあります。また薬剤性、高血圧症、脱水症、不整脈、起立性低血圧症、熱中症、各種神経難病、低血糖症、貧血、外傷後頸部症候群、頸性めまい、鼻性めまい、心身のストレスなどもめまいの原因になります。

めまいの診断

 めまいに限りませんが、診断上、問診と診察が最も重要です。めまいのほかに激しい頭痛、呂律が回らない、手足が動かない(片麻痺(半身不随)など)、しびれ、意識障害が急に生じた場合は、脳病変による疑いがありますので、すぐに受診しましょう。状況によっては、頭部CT検査や頭部MRI検査ほかの画像検査が行われますが、的確な問診と診察があってこそ、これらの画像検査が役に立ちます。従って、画像検査は万能ではありませんので、いたずらに画像検査に期待し過ぎることは正しくありません。一方、同時に耳鳴り、難聴が生じている場合は内耳性めまいを疑いますが、代表的な内耳性めまいである良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎では、めまい発作時に耳鳴りや難聴はみられません。

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ほか)急性期のめまい

 少なくとも脳卒中急性期(発症後14日以内)には、神経内科や脳神経外科での入院精査加療が必要です。再発予防のために、脳卒中の危険因子(高血圧症、糖尿病、喫煙、心房細動、脂質異常症、内臓肥満/メタボリックシンドローム、睡眠時無呼吸症候群、ほか)の治療が重要です。

内耳性めまい

 中年以降によく見られるのが、前述の良性発作性頭位めまい症によるめまいです。寝返り、布団からの起き上がり、頭の向きの変化などの体位変換時にとくに見られ、内耳の三半規管内を浮遊している結石が原因となります。良性発作性頭位めまい症は、めまい体操(エプリー法)を行うことにより改善する場合も多いですが、比較的激しい体操(仰向けに寝て、頭をゆっくり右に向けて30秒静止、元に戻し左にゆっくり向けて30秒静止という運動を続ける)ですので、耳鼻咽喉科めまい専門医での実施前に、神経内科専門医による診断確定、合併症の評価が必要です。また薬物療法が有効な例もしばしばあります。

その他のめまい

 原因に応じて適宜、高血圧症の治療、脱水の是正、ゆっくりと起立、熱中症の治療、低血糖症や貧血の治療、めまいの原因となった薬剤の減量中止、各種神経難病の治療、外傷後頸部症候群や心身のストレスの治療のために適宜、主治医、救急医療機関、内科、耳鼻咽喉科、整形外科、心療内科、精神科等での治療が必要となります。

うまく力がはいらない(脱力)

 手に力が入らない、足に力が入らないなどの症状があると上手にはしを使えなかったり、ものを持っても落としてしまったり、歩きにくくなったりします。特に、急に体の片側の手足(例えば右の手足など)が同時に動きにくくなったり、顔つきがかわったり、ろれつがまわらないときなどは脳卒中の可能性があるので、なるべく早く神経内科を受診されるようお勧めします。早いほど治療が早くはじめられ、後遺症が少なくてすみます。また、脳だけでなく、脊髄や手足の先にいく神経がいたんでも力が入らないことがあります。原因によって治療がちがいますので、まず脳神経内科で診てもらいましょう。

けいれん

 けいれんと聞くと全身けいれん=てんかんを思い浮かべる方が多いと思いますが、全身けいれん=てんかんではありません。まず全身けいれんを生じる可能性があるてんかん以外の緊急を要する病気、すなわち薬物中毒、血糖や電解質の異常、心臓の病気、脳卒中・脳炎などの可能性がないかの判断を優先すべきです。
 一方、けいれんと言っても、全身けいれんでなく、「片方の手足、顔だけがつっぱる、けいれんする」、「手足が一瞬ピクっとなる」、「筋肉がピクピクする」、「足がつる」といった軽い症状を指して、けいれんと呼んでいる場合もあります。
 これらの症状は脳~脊髄~末梢神経~筋肉とあらゆるレベルの病気で起こる可能性があります。患者さんの訴えがどのレベルの障害で生じているのかを明らかにするのはまさに脳神経内科医の役割です。なお、脳神経内科での精査の結果、神経系の異常はなく、精神科的な問題で症状を訴えていることが判明する場合もあります。

頭の痛み(頭痛)とは?

 まったく頭痛を経験したことがない人は少ないと思います。風邪をひいて熱がでた時の頭痛、お酒を飲みすぎた翌朝の二日酔いの頭痛など、なんらかの頭痛を経験したことがある方がほとんどでしょう。頭痛(英語:headache、cephalalgia)とは頭部の一部あるいは全体の痛みの総称で、後頭部と首(後頸部)の境界、眼の奥の痛みも頭痛として扱います。
 頭皮のケガ(外傷)や感染(化膿、おでき)などによって生じる頭の一部の表面の痛みは通常は頭痛とはいいません。頭痛は、熱や腹痛と同様に症状の名称ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す「頭痛疾患」があり、片頭痛や緊張型頭痛が代表的な疾患です。

頭の痛み(頭痛)がおこったら

 急性に起こった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、突発して短時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴うような場合には、至急、受診して正確な診断を受けるほうがよいでしょう。くも膜下出血のような重篤な疾患である可能性があります。
 以前から同じような頭痛を繰り返している場合は、慢性頭痛で生命の危険はないことが大部分です。前述のように、片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。特に片頭痛に対しては特異的な治療法がありますので、一度、脳神経内科を受診されるとよいでしょう。慢性頭痛でも、頭痛が経過と伴に悪化してくるような場合には、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性もありますので、やはり一度脳神経内科を受診されるのがよいでしょう。この場合は、通常は脳神経外科との連携診療が行われます。
 頭痛疾患を正確に診断できる医師はまだ少ないのが現状ですが、日本頭痛学会が認定する頭痛専門医が年々増えておりますので、状況は改善されています。頭痛でお悩みで、現在の診察や治療に満足できない場合には、頭痛を専門的に取り扱っている脳神経内科を受診してみてください。

 慢性頭痛の中には難治性のものもありますので、必ずしもすべての頭痛に対して完全に痛みを消してしまう治療法があるわけではありません。また、頭痛が難治性であるのは市販鎮痛薬の使用過多が原因である場合もあります。我々脳神経内科では、現在利用可能な治療薬、治療法を駆使して、頭痛による日常生活・仕事・家事・学業などへの悪影響を最小限にすることで、生活の質の向上を担当医師と患者さん御自身との共同作業で目指す形で診療を行っています。

ろれつがまわらない

 舌の動きが悪くなるとろれつがまわらなくなります。また、唇の動きが悪くてもしゃべりにくくなり、このような状態は構音障害といいます。なかには、頭で考えてわかっているのに言葉にしようと思うとでてこないという失語といった状態もあります。どこが悪くてしゃべりにくいのかを見極める必要がありますので、まず脳神経内科にご相談ください。

もの忘れ

もの忘れ

 誰でも歳をとってくると「もの忘れ」をするようになります。たとえば、友人の名前を思い出せない、1分ぐらいしてからやっと思い出した、といったような場合です。こうした「もの忘れ」はいわゆる「度忘れ」で、歳相応の「もの忘れ」です。日常生活・社会生活に支障はありません。
 一方、認知症の「もの忘れ」は単なる「度忘れ」とは異なります。たとえば、昨日友達と会って食事をしたことを忘れて思い出せないといった、出来事(エピソード)自体を忘れてしまう「もの忘れ」です。このように出来事を忘れてしまうような「もの忘れ」が頻回にあると日常生活・社会生活に支障が出てきます。
 ものごとを記憶する、判断する、順序立てて行うなどの脳の機能を認知機能といいます。認知症は、認知機能が低下したために、日常生活・社会生活に支障があるようになった状態を指します。認知機能が正常な人が突然認知症になってしまうことは少なく、多くの場合、徐々に認知機能が低下していって認知症になります。認知機能が正常とはいえない、しかし認知症ともいえないグレイゾーンの状態を「軽度認知障害」とよびます。すなわち、軽度認知障害は、正常と認知症の中間的な状態で、もの忘れが目立ちますが日常生活には支障がない状態を指します。現在は、この軽度認知障害の段階で発見して原因を診断し、治療方針を立てることが重要なポイントになっています。

 それでは、どのくらい認知症や軽度認知障害の人がいるでしょうか?社会の超高齢化に伴い、認知症の人は急増しています。最近のデータでは65歳以上の高齢者の約15%が認知症で、認知症と軽度認知障害を併せると30%近くに達することがわかっています。5歳刻みの年齢層ごとにみると、85~89歳になると6割以上、90歳以上では8割以上の人が認知症または軽度認知障害になっています。長生きをすれば、誰でも認知症になる可能性が高いのです。

 認知症や軽度認知障害の原因にはさまざまな病気があります。それらの中で、一番多いのはアルツハイマー病という病気で認知症の6割以上を占めます。それに次いで多いのがレビー小体型認知症、血管性認知症といわれています。これらの代表的な認知症の病気については、疾患・用語編で説明します。
 大切な点は、原因の病気によって治療法や予防法が異なるということです。ですから、できるだけ早く発見して、原因になっている病気をつきとめ、適切な方針を立てることが大切です。「もの忘れ」が心配になったら、なるべく早めに脳神経内科を受診することをお勧めします。

ふるえ

 ふるえには人前で緊張のためふるえる場合や、寒いときに出現する場合は問題ありませんが、コップをもったり箸を使ったりするときに出現するふるえは病気の可能性があります。
 ふるえの出現する状況に応じて大きく二つに分けられます。じっとしている静止時に出現するふるえと、姿勢時にふるえる場合があります。静止時に出現する代表的な疾患がパーキンソン病です。他のパーキンソン症候群でも同様に静止時に出現する場合がありますので、鑑別が必要です。
 姿勢時のふるえは、水などの入ったコップで飲む時や、テレビを観ているときなどに出現することが多く、その場合は、本態性振戦である場合が少なくありません。
 本態性振戦は、ふるえ以外の症状はありません。家族歴を認めることもあります。本態性振戦の症状がひどい場合は、治療が必要になります。また、内科的疾患でふるえが出現することもあります。特に甲状腺機能亢進症では、振幅の狭い、頻度の高いふるえが出現します。この他に、企図時や動作時に出現するふるえもあり、この場合は、小脳系の疾患の可能性があります。この慢性アルコール中毒などでも動作時に出現することがあります。
 ふるえの出現する部位は、頭、口、手足、いずれの場合もあります。声帯にふるえが出現する場合もあります。静止時、姿勢時、企図時そして動作時にふるえが認められる場合は、神経疾患の可能性がありますので、脳神経内科を受診する必要があります。

舞踏運動・アテトーゼ・ヘミバリズム

 舞踏運動は、短くやや速い不規則な運動を言います。アテトーゼはゆっくりとした連続性のある動きで、舞踏運動と同時に出現することもあり、まるで踊っているような動きにみえます。ヘミバリズムは、大きく片側の上下肢を投げ出すような動きを言います。舞踏運動は、老人や妊婦にも観察されることがあります。
 優性遺伝性舞踏病であるハンチントン病による舞踏運動が最も頻度的に高くなります。原因となる遺伝子は同定されておりますが、治療は難しく症状を抑える対症療法のみになります。
 変性疾患は濃厚な家族歴を伴うことが少なくありません。第一近親者に同じ症状の患者さんがいる場合や、親になる可能性のある近親者にはカウセリングや遺伝子診断を勧めます。
 ヘミバリズミは視床下核およびその周辺の脳梗塞が原因で発症します。通常は、6~8週で自然消失しますが、重度が高いケースは治療が必要となります。

ミオクローヌス

 単一の筋または筋群に生じる短時間による筋収縮です。診断は臨床的に行いますが、電気生理学的検査により診断することがあります。健康な人でも眠りかけた時などに出現します。しかし、代謝疾患、肝不全、腎不全、心停止後の蘇生後などでも出現します。神経疾患では、アルツハイマー病、プリオン病であるクロイツフェルト-ヤコブ病で見られます。神経疾患か否かも含めてこのような症状がある場合は、原因を特定することが必要です。

ジスキネジア

 抗精神病薬の長期投与で観察される遅発性ジスキネジアや、パーキンソン病のレボドパ長期治療での副作用としてのクネクネさせるような動きを言います。症状としては、「繰り返し唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせる、口を突き出す、歯を食いしばる、目を閉じるとなかなか開かず、皺を寄せている、勝手に手が動いてしまう、足が動いてしまって歩きにくい、手に力が入って抜けない、足が突っ張って歩きにくい」などの訴えをします。薬で誘発されることが頻度的に高いので、抗精神病薬か抗パーキンソン病薬を服用していないか確認することが大事です。その上で急にご自身で薬を中止したりせず、処方されている主治医の先生に相談することが大事です。

ジストニア

ジストニア

 長時間続く不随意な筋収縮を特徴として、異常な姿勢を強いられます。例えば体幹、上下肢、頸部がねじれたりします。原因は遺伝性のケースと脳の疾患、薬剤が原因で起こります。遺伝子の変異で発症する一次性と、疾患や薬剤で起こる二次性が存在します。ジストニアの起こる部位ですが、体の一部だけ(局所性ジストニア)、複数箇所に起こる場合(分節性ジストニア)、全身性に起こる(全身性ジストニア)場合があります。

 以上、ふるえや勝手に体の一部が動いてしまう症状の解説をしましたが、正常の一部でも一過性に出現することもありますが、ここに説明した不随意運動が持続的に出現する場合は脳神経内科を受診することが大事です。

脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)

歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ないという症状です。主に小脳という、後頭部の下側にある脳の一部が病気になったときに現れる症状です。この症状を総称して、運動失調症状と呼びます。この様な症状をきたす病気の中で、その原因が、腫瘍(癌)、血管障害(脳梗塞、脳出血)、炎症(小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害ではない病気について、昔は、原因が不明な病気の一群として、変性症と総称しました。病気によっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので、脊髄小脳変性症といいます。
脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、この運動失調症状をきたす変性による病気の総称です。よって、その病気の原因も様々です。現在では、脊髄小脳変性症の病気の原因の多くが、わかってきています。しかし、一部まだ原因の解明されていない病気も残されています。これらの病気の解明には多くの患者さんのご協力を必要とします。
なお、足の突っ張り、歩行障害が主な症状である痙性対麻痺も、一部の疾患では小脳症状を呈することがあるため、我が国では行政上は脊髄小脳変性症に含まれています。

この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

多系統萎縮症という病気では、病型により程度は異なりますが、運動失調症が、その症状の中心になる場合があります。そこで多系統萎縮症の一部も脊髄小脳変性症とされます。この多系統萎縮症を含めて、脊髄小脳変性症の患者さんは、全国で3万人を超えています。
その中で、遺伝歴のない脊髄小脳変性症(多系統萎縮症とかオリーブ橋小脳萎縮症といわれます)が最も多く、約2/3を占めます。1/3は遺伝性の脊髄小脳変性症です。痙性対麻痺は脊髄小脳変性症の5%程度を占めます。遺伝性の脊髄小脳変性症では、それぞれ遺伝子別に番号がついています。日本で多いのはSCA3、6、31型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)です。このうちSCA3型はマチャド・ジョセフ病という呼び名で呼ばれます。歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)はお子さんから、大人の方まで、本邦で比較的、高頻度に認められます。小児の脊髄小脳変性症のなかで多いのは“眼球運動失行と低アルブミン血症を伴う早発型失調症”(EAOH/AOA1)があります。
成人の遺伝性の脊髄小脳変性症の大多数は病因遺伝子が判明しています。小児に関しては、種類も多様で、多くの病因遺伝子が同定されています。しかし、未だ不明な病気も多く存在しています。

この病気ではどのような症状がおきますか

この病気ではどのような症状がおきますか

主な症状は、起立や歩行がふらつく、手がうまく使えない、喋る時に口や舌がもつれるなどの症状です。痙性対麻痺では、足の突っ張り、歩きにくさが特徴的な症状です。脊髄小脳変性症では、これらの症状がたいへんゆっくりと進みます。このような、運動が上手に出来ないという症状を総称して運動失調症と言います。脊髄小脳変性症として総称されている病気では、それぞれの種類で、運動失調以外にもさまざまな症状を伴います。

この病気にはどのような治療法がありますか

多くの脊髄小脳変性症で病気の原因が判明しました。その原因に基づき、多くの研究者が研究を進めています。ヒトと同じような機序で同じ症状を出す動物(モデル動物)も作られています。それらのモデル動物を使って症状の進行を妨げる薬剤も多数報告されています。しかし、現時点では、残念ながら、それらの薬剤がヒトで有効である事は確かめられていません。ヒトでの安全性やヒトでの試験の難しさが壁になっています。また患者さんの数が、高血圧や、糖尿病に比べて少ないことも壁になっています。日本は、このような患者さんの数の少ない疾患にも、精力的に取り組んでいる国の一つです。今後、必ず、有効性のある薬剤が開発されることが期待されます。病気の進行を止める薬の開発には、多くの患者さんのご協力が不可欠です。
現時点では、お困りになっている症状を和らげる治療法が知られています(対症療法と言います)。運動失調に対して、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤であるプロチレリン酒石酸塩(ヒルトニン®)、TRH誘導体であるタルチレリン水和物(セレジスト®)が使われます。その他、足のつっぱり感、めまい感、などに対して、症状に応じて薬で治療します。

この病気はどういう経過をたどるのですか

症状は、とてもゆっくりと進みます。進み方は、同じ病気でも、お一人お一人で差があります。急に症状が悪くなることはありません。病気が進むと、一部では呼吸や血圧の調節など自律神経機能の障害や、末梢神経障害によるシビレ感などを伴うことがあります。病気が進んでも、コミュニケーションは十分に可能ですし、極端な認知症は伴いません。

この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

起立や歩行の際にふらついて転倒してしまうことがあり、注意が必要です。特に、歩き出したり、向きを変えたりするときにバランスを崩すことが多いです。廊下・お風呂・トイレなど、日常生活で頻繁に移動する場所には、手すりなどを設置して、つかまることの出来る固定した場所を確保することにより、転倒のリスクを少なくすることが大事です。
疾患によっては、進行すると飲み込みの機能が障害される(嚥下障害)場合があります。嚥下障害が合併すると誤嚥性肺炎の危険性が増し、身体に重大な影響を与える可能性があります。細かく刻む、とろみをつけるなど、ご本人が飲み込みやすい食事形態にすること、食後の口腔内ケアを励行することが重要です。食事の際のむせこみに気づいたら、早めに嚥下造影・嚥下内視鏡等の嚥下機能検査を受けていただくことをおすすめします。

次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

  • 遺伝性脊髄小脳変性症
  • 孤発性脊髄小脳変性症
  • 純粋小脳型脊髄小脳変性症
  • 多系統障害型脊髄小脳変性症
  • 純粋型脊髄小脳変性症
  • 複合型脊髄小脳変性症

次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。

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